妊婦 マスク

妊婦の方は抗ウイルス薬は使用できません。したがって、妊婦はアビガン(ファビピラビル錠)(錠剤)やエボラ出血熱の治療薬として開発されたレムデシビル(点滴)は使用できません。

アビガンの動物実験では、初期胚の致死及び催奇形性が確認されていることから、妊活中の女性・男性、妊婦又は妊娠している可能性のある人、授乳中の人には投与できません。また、精液中へも移行するので、男性に投与する際は、期間中は妊婦との性交渉を行わないことが表示されていますので、若い方への処方が難しいです。

妊婦が新型コロナウイルスに罹患した場合、使える薬は現段階ではないので、呼吸補助を行い、熱が出れば解熱剤を投与して様子を見ることになります。しかし、一般的に妊婦の方も含めて処方されることのある解熱剤「アセトアミノフェン(品名カロナール)」も、100%完全には安全とは言えません。

解熱剤のアセトアミノフェンは、稀に、胎児の動脈管収縮、喘息やADHD(注意欠陥・多動性障害)になるリスクが高まることがあります。特に妊娠4週〜8週は、心臓、眼、鼻などの器官形成の大事な時期ですので、処方には入念な医師との相談が必要です。

妊婦さんの中期における体温は36.7度以上と高温であるため、少々体調を崩しても37度を超えてしまい、あっという間に37.5度になるとも考えられます。しかし、健康体であれば37.5度ということはないので、37.2度が続いた場合は何らかの風邪症状を疑っていいでしょう。通常の風邪であれば多少の熱でも何とか我慢すると言う選択肢もありますが、インフルエンザや新型コロナウイルスの場合、40度近くの高熱になることもあるので、体質に合った早めの治療開始が望ましいです。

日本では、4月に新型コロナウイルスに罹患した38週の妊婦さんが帝王切開で無事出産されましたが、かなり運が良い事例とも言えます。たまたま生まれても大丈夫な37週以降だったので、切開できたわけですが、妊婦さんの本望としては40週を超えて分娩したかったに違いありません。これが初期や中期のケースだと考えると後悔先に立たずです。妊婦の方は毎日熱を計り、充分に用心しましょう。

妊婦さんはただでさえ普通の生活もままならないくらいきついものです。肺炎の症状が出た場合、確認のために胸部レントゲンやをCT撮影をすることになりますが、果たして放射線であるレントゲンを胸部に当て、数回なので放射線量が低い為、影響が少ないと言えるでしょうか。妊娠初期であれば、少なからず多少の影響があると思います。

新型コロナウイルスは、妊婦でも一般のひとと重症度は変わらないなどとありますが、鵜呑みにせず、若い方でも血液の凝固機能亢進による脳梗塞症状が多く報告されていますので、自分の判断で外出などは控えましょう。ただ、親として精神的に強くなることも大事です。病気を怖がり不安を感じすぎてストレスになるのが一番良くないので、とにかく新しい病気にはかからない!という強い気持ちを持って、周りの人にも協力してもらいましょう。

妊娠初期の方は、まずは職場上司や家族への報告から。2、3ヶ月だとまだまだ流れる可能性もあるからと報告が先延ばしにもなりがちですが、この時期なので早めに相談しておきますと前置きし、信頼できる上司や先輩にはしっかり相談しておきましょう。

基本的には誰も助けてはくれないというくらいの気概を持ち、世間に期待せず、赤ちゃんを守れるのは自分(お母さん)と思ってください。一番大事なのはお母さんと赤ちゃんの命です。

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