妊娠を希望する方は、毎年11月、12月以降はインフルエンザの予防接種をし、マスクと手洗いうがいを徹底、家族にも協力してもらうのが望ましいです。ワクチンの料金はクリニックによって異なり、2500円〜3500円です。9月10月など、あまり早い時期に打つと、2回打つことにもなりますが、効果は持続します。

ワクチン投与後は、効果が出るまでに2〜3週間かかり、持続は3ヶ月程度ですから、12月に1回接種した場合は、2月末か3月中旬に効果が消え、3月末には通常の風邪にもひきやすくなります。妊婦は免疫状態が特殊で、弱いため、よくくしゃみや咳をします。加湿に気を配り、職場や就寝時でも卓上加湿器などを置いておくと良いでしょう。

妊娠中・授乳中のインフルエンザワクチン摂取は大丈夫❔副作用や水銀の心配は❔

妊娠中のインフルエンザワクチン摂取については、インフルエンザワクチンは不活化ワクチンで、成分による感染をおこすことはなく、授乳中に接種しても胎児に悪い影響をあたえることはありません。ただ、内科などで受ける場合、妊娠・授乳中であることは伝えておきましょう。

乳幼児がインフルエンザにかかり重症化すると大変なので、授乳中は親のインフルエンザ感染を予防することが大切であり、予防接種は受けた方がいいです。ただし、インフルエンザワクチンも副作用があり、ワクチンを受けたことによってインフルエンザのような症状になり、体調が悪くなる人も一定数いますし、持病のある方や免疫の下がっている方はアナフィラキシーや急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、脳炎・脳症、脊髄炎、喘息発作などの副作用が出ることもあります。

また、多くのインフルエンザワクチンには、チメロサールという成分が防腐剤目的で入っており、エチル水銀50μg程度が含まれるため、問題もあるともされています。わずかではありますが胎児の成長や発達障害に影響があるから心配という方は、妊娠前にチメロサールの入っていないインフルエンザワクチン(4000円〜5000円)を使用しているクリニックを探して打つなどしても良いでしょう。

インフルエンザにかかっても授乳はできる❔

産後1か月以内は出産での体力低下からインフルエンザの予防接種は受けられませんが、産後1か月の検診で問題なければ摂取可能ですし、インフルエンザにかかっても授乳は可能です。

日本産科婦人科学会は、母親がインフルエンザに感染したとしても、できるだけ母乳を与え続けるよう呼びかけていて、マスク着用や手洗いを厳守すれば、直接子どもに母乳を与えて良いとしています。

母親が抗インフルエンザ薬を使用している期間であっても母乳を与えて良いのですが、母親の症状が強く、赤ちゃんの世話や授乳ができない場合には,搾母乳を健康な第3者に与えてもらいましょう。

妊娠中や産後インフルエンザにかかったらどうする❔

まず、インフルエンザの疑いがあれば、産婦人科に入るのはやめましょう。妊婦さんは免疫が低くなっているので、接触しない方が良いでしょう。妊婦や産後であることを告げ、内科を受診し、インフルエンザの検査を受けましょう。

授乳中に処方される抗インフルエンザ薬は、内服薬の「タミフル」、吸入薬の「リレンザ」や「イナビル」です。どれも母乳への移行はほとんどみられないといわれているので、服用して早くインフルエンザを治した方がいいでしょう。

吸入薬「リレンザ」:1日2回、5日間ほど吸入する薬。A型又はB型インフルエンザウイルス感染症に効果があり、C型インフルエンザウイルス感染症には効果がない。4歳未満の未就学児は使用できない。

吸入薬「イナビル」:1回ないし2回の吸入で治療が完結する抗インフルエンザ薬。  A型又はB型インフルエンザウイルス感染症に効果があり、C型インフルエンザウイルス感染症には効果がない。4歳未満の未就学児は使用できない。

インフルエンザが赤ちゃんに移ると危険

熱や嘔吐、汗やぐったりとした様子から始まるインフルエンザですが、2日以内の初期の段階で病院に連れて行かないと重症化することがあります。幼児は、生後半年以降、免疫が下がりやすいので、インフルエンザにかかり重篤となると、意識障害、けいれん等の神経症状から「インフルエンザ脳症」となり、後遺症が出たり死に至ることがあります。

発熱と咳がひどい場合は、「肺炎」になっていることもあり、大人になってもその時の影響が出ることがあります。

赤ちゃんはインフルエンザワクチンをうてるの❔

赤ちゃんは生後1ヶ月からさまざまな予防接種をしますが、インフルエンザワクチンの接種は生後6カ月以降からです。6カ月未満の赤ちゃんは接種できますし、生まれもっての免疫があるのでインフルエンザも大人よりはかかりにくいです。生後6ヶ月過ぎて打った後、重症化を防ぐことにはなりますので、「インフルエンザ脳症」などには対策になりますが、インフルエンザにかからないという訳ではありません。

まずはお母さんがインフルエンザにかからないことが重要です。

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