妊娠を望む望まないに関係なく、膣の部分は綺麗に健康に保っておきたいもの。健康診断で「カンジダ」と診断される女性は多いのではないでしょうか。カンジダは真菌(カビ)の一種で、口腔内や消化管、皮膚、腸などどこにでもいる常在菌です。
カンジタ膣炎は症状がない場合も多く、全く痒くないし痛くないのにカンジダが出る場合もあります。逆に、かゆみやヒリヒリとした症状がありカンジダではない場合は、通常のかゆみ止めで鎮めることができます。
カンジダ性膣炎になる原因は以下があります
- 疲れ・風邪・ストレスなどで、免疫、抵抗力が落ちている時、栄養が足りない時など
- 抗生物質などの使用後
- 妊娠など(膣内酸性度の低下)
- 性行為による男性からのカンジダ感染(5~10%)
- ピルの使用
- 湿度の高い気候で蒸れる場合、ポリエステルなどの合成繊維の下着が合わない場合、洗い不足など衛生状態が悪い場合、皮膚の炎症性の疾患の影響、抗生物質など免疫機能を抑制する薬剤の使用、糖尿病や免疫機能を低下させる病気の影響
トータルで健康であれば、カンジダは消えてなくなることも多いのですが、放っておくとかゆみやおりものが白い固形状になるなど、特有の症状が出てきます。
カンジダ性膣炎の予防
- 通気性の良い綿、シルクの下着や、ゆったりした洋服を着用する。
- シャワーや入浴、水泳の後は、デリケート部分を乾かし、濡れたままにしない。
- バスタオルなどを共有しない。
- 湿った衣類は、すぐに着替える。
- 生理中やおりもの用ナプキンは、マメに交換する。
- 排便または排尿の時は、前から後ろにふく。
- ウォシュレットで洗い過ぎない
カンジタ性膣炎の自宅での自己療法は❔
忙しくてクリニックに行く暇がない方で、再発の方は、自宅で膣に薬(膣錠)を入れて治すことが可能です。クリニックに行く場合と料金に差がありませんので、不安であればクリニックで処方してもらった方が早く治ることが多いでしょう。
自宅では、まず患部を清潔にし、栄養をとり、ゆっくり休んで免疫をあげます。クリニックの場合は膣を酸性に保つ膣洗浄をし、抗真菌薬クリームを膣部分に1日に2回塗るか、毎日膣錠を入れ、7~10日間ほど様子を見て治療していきますが、改善しない場合は、ゲンチアナ紫という染料を膣部分に塗りグラム染色をして、真菌(かび)を殺菌していく方法もあります。
自己治療の場合、ネットなどで再発治療薬の膣錠を購入し(約3000円)、1日一回、膣に入れてカンジダ菌を滅していきます。ただし、その後カンジダがなくなったかどうかを正確に確認するにはやはり診察で検査が必要です。明らかに症状がなくなった場合は、自宅での治療がうまくいったということになります。
妊娠中の使用は、必ず医療機関で医師の診療を受けるようにしてください。初期の定期検査でカンジダを確認することもありますので、指示に従うと良いでしょう。
また妊娠し、腟カンジダを発症しても、お腹の中の胎児への影響はありませんが、出産の際に産道でカンジダ菌に感染する可能性があり、舌が白くカビの状態になる鵞口瘡(がこうそう)になったり、オムツかぶれで見られるようなカンジダ皮膚炎による赤いかぶれの症状を起こすことがあります。したがって母親は、赤ちゃんのためにも事前にカンジダを治療しておくのが好ましいと言えます。
カンジダ性膣炎は男性にもうつる❔感染する❔
- カンジタ性膣炎は、女性の免疫低下などで自然に発生するものですが、男性からうつされることも、男性にうつすこともあります。
- 男性に感染すると、亀頭や包皮に発赤・痒み・びらん・白苔になることがあリます。
- 男性も治療用の軟膏で治すことができますが、気づかないことも多く、さらに女性へ再発をさせてしまうこともあります。