生まれた赤ちゃんをすぐに抱いて、すぐに授乳したいと考えるママも多いはず。結論から言うと、元気に生まれてきた赤ちゃんを、少しの間、助産師のいるところで抱くのは比較的よく、少しでもリスクがありそうならやめておくのも手だということです。

低出生体重児のケアなどに良好として南米コロンビアで考えられた「カンガルーケア」は、現在多くの産婦人科でも取り入れられています。日本などの先進国では、NICUなどもありますので、低出生体重児のケア、死亡率に大幅な効果は見られないとされていますが、NICUに入った後も、希望があれば椅子に座って、抱かせてもらえることもあります。「カンガルーケア」は、お母さんの胸に赤ちゃんの顔と胸をつけて、接触させる保育方法です。温度が保てるほか、母乳の出方にも変化がある可能性があるともされていますが、事故もないわけではありません。お母さんも体力が減っているかもしれませんし、少しでも呼吸の弱い赤ちゃんや、母乳を飲む力がない赤ちゃんは、弱っている可能性があり、重い障害を残すこともありますので、赤ちゃんの状態によって、カンガルーケアをするか否か、医師と話した方が良いでしょう。

カンガルーケアの良いところは以下の点です。

  • 保温効果があるので体温が維持され、呼吸が安定するが、部屋の温度にもよる。
  • 母乳分泌が増し、母乳哺育の期間が長くなる。
  • 母子の愛着が深まる。
  • 母親の未熟児出産による喪失感を克服する
  • 赤ちゃんの呼吸が規則的になり安定します。
  • 赤ちゃんの眠りが深くなり、起きているときは穏やかになる。
  • 赤ちゃんの感染の予防につながる。
  • 母子の関係が深まることで、育児放棄率の低下につながる。

ただ、体温低下による低血糖症をもたらし危険、母乳が出やすいという証拠もないともされており、うつ伏せ寝は窒息の危険がある上、タオルなどで児の体を覆っていると、顔色が悪くなるなどのチアノーゼが出ても見えないし呼吸状態も観察できないなど、危険性も指摘されています。

数分など、少しの間だといいのかもしれませんが、長時間のカンガルーケアは生まれたばかりの赤ちゃんには少々リスクもあるかもしれませんので、助産師の目が行き届いている範囲で抱くのが良いかもしれませんね。


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