妊婦の子宮は5〜8ミリで、妊娠が経過するに従い薄く伸びています。子宮破裂は多くの場合予兆がなく、突然起こり、適切に帝王切開を行い胎児を出さなければ母体の死亡、加えて胎児の脳性麻痺の可能性が高くなりますが、現実的に突発的な子宮破裂の対応には病院にいても30分程度はかかるため、脳性麻痺は回避できないことが多いです。

子宮破裂の原因は多く、中でも帝王切開の経験ある妊婦は、次回の出産も帝王切開をしないと子宮破裂の可能性が高いので、帝王切開を続けることを勧められます。経産回数の多い妊婦も子宮が薄くなっており、さらに細かいキズが多く刻まれてい流ので、初産の妊婦よりも子宮破裂の可能性が高くなります。

帝王切開以外の原因は、自然子宮破裂として、先天性子宮異常、巨大児、多胎妊娠、胎位異常、回旋異常、羊水過多、胎児異常、母体の骨盤不均衡があり、この場合も予定帝王切開となることが多いです。自然でない原因は、人工的な胎児回転、医原性の穿孔、交通事故、子宮筋腫核出術や直視下胎児手術などの外科手術の経験、吸引分娩や鉗子分娩、クリステレル胎児圧出法があげられ、中でも問題が大きいのが、子宮収縮薬の過剰な投与です。日本で陣痛促進剤でよく使用される「オキシトシン」や「アトニン」の過剰投与により、急速に強い子宮収縮が起こると、子宮破裂を起こす確率が上がるので、促進剤の容量には繊細な注意が必要です。

親としてできることは、お腹の異常を感じたらすぐに病院へ連絡、お腹を打ったり転倒して痛みがある場合も病院へ。お腹がパチっと破裂するような音を出し、激痛がある場合は救急車を。出産当日に異常があり、子宮裂傷などが見受けられたら、緊急帝王切開の提案があると思うので、すぐに承諾した方が良いなどがあります。できるだけ早く赤ちゃんを出してあげて、心拍数が下がりすぎないように、酸素が行き渡るようにしてあげなければ、助かる命も助かりません。日々、お腹と対話し、観察を続けていきましょう。

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