排卵日直前に増えたおりもの(のびおり)によって、精子は卵子のところに運ばれますが、その後正常な妊娠をすると、毎月のおりものと同じような量と状態となり、一定期間はおりものが減ったような気がします。すると、妊娠はしていないのかもしれないと思いがちですが、自宅で簡易キッドなどで検査をし、「陽性」であれば妊娠の可能性が高いので、産婦人科を予約してください。妊娠判明後、すぐにおりものが増えるわけではありませんが、つわりが酷くなる8週間以降頃〜12週頃におりものが増えることが多く、数ヶ月はドロッとしたおりものが大量に下着につくことがあります。おりものシートを利用する妊婦さんも多いですが、蒸れて菌の感染の原因になることもあるので、1日に数回、よく交換して清潔に保つことをお勧めします。

妊娠中のおりものにピンクの血や茶色いおりもの、黒いおりものは❔

おりものの色は透明〜乳白色であれば通常ですが、妊娠初期、稀にピンクや茶色いおりものが出ることがあります。妊娠部分以外の壁面で出血していれば胎児の成長に問題はありませんが、生理くらいの血や黒い血が出る場合は初期流産した可能性があり、血が出ないがつわりがなくなる場合は滞留流産であることが多いです。年齢によって割合が異なりますが、約15〜25%の妊娠は流産しますので、残念ですが、もし流産になっても強い気持ちでいましょう。

薄く血の混じったおりものが出ることが着床出血であると言われていることも多いですが、10人に1人くらいの割合であり、「着床出血」する人はそう多くはありません。したがって、着床ではない原因の出血であることが多いのですが、妊娠初期に血が出たからと行って、必ずしも流産ということはなく、流産の手前の「切迫流産」で胎嚢や心拍は確認でき、妊娠も継続、安静を保ってそのまま無事出産することも多いです。

また、便秘などで無理をしたり、マッサージなどをすると赤也ピンクのおりものが出ることがありますので、便秘の場合は無理をせず「酸化マグネシウム」など便秘薬を処方してもらいましょう。

緑や黄緑のおりものは異常❔細菌が関係している❔

「緑や黄緑のおりもの」が大量に出る場合、心配もありますが、重症でないことが多く、性病でなければ検診の際の膣洗浄で治ります。黄緑のおりものは、鼻水のようなトロッとしたものが多く、衛生面で問題があり、菌が繁殖していることが多いですが、清潔にした李、免疫をつけることで治りやすいです。

明らかに白くて、膣が痒く、ポロポロとしたおりものの場合は、カンジダ菌が繁殖していることがあります。その場合は膣洗浄に加え、膣錠を出してもらい、腟中を綺麗にしカンジダ菌を死滅させます。初期の段階で治しておくと、胎児が産まれるときに感染する率が低くなりますので、早期に相談しましょう。カンジダ菌以外にも膣トリコモナス症、淋菌感染症(淋病)、クラミジア感染症も黄色や黄緑であることがあリます。

出血と子宮の病気、子宮外妊娠も出血がある❔

「滞留流産」は、出血がなくつよい腹痛を伴うことが多く、お腹の中で胎児の心拍が止まっています。出血がないため気づきにくいのですが、定期検査で判明します。滞留流産は、子宮の中のものを出す必要があるので、下半身麻酔などを行い処置が必要です。生理ほど血の塊が多い場合は、化学流産や不全流産で、血と一緒にいくらか流れていることもありますが、不全流産の場合で一定期間すぎている場合は、子宮内の残りを出すためにこれも処置が必要です。

産婦人科に通っていない人で、大量の出血が出る場合は不正性器出血で、子宮筋腫やポリープ、女性特有のがんである可能性もあります。大きな子宮筋腫では10センチくらいにもなっており、複数あることもこともありますので、疑いがあれば病院を受診しましょう。

妊娠の反応が出たにも関わらず5〜6週で子宮の中に「胎嚢」が確認できていない場合は、子宮外妊娠「異所性妊娠」の可能性もあり、もし子宮外妊娠であれば手術をする必要があります。

子宮外妊娠での出血は大変危険ですので、不正出血や腹痛のある場合は早めに受診してください。

おすすめの記事